技能実習生のサポートをしたときのこと。
実習生を空港まで迎えに行き移転手続きを行ってアパートへ案内するような業務でした。
1か月の東京での教育が終わった彼女たちはみんな黒のパンツスーツで到着ゲートから出てきました。総勢20人程度がまだあどけない顔を見せていて、これから何年か働くという感じではなく、今まさに修学旅行中の学生たちのようでした。
わたしの担当は3人の女の子で一通り市役所の手続きが終わり、コンビニでお昼ご飯を買いに行くことにしました。ワイワイと賑やかそうに店内の飲み物のコーナーの前に来ると嬉しそうな声を上げたかと思ったら「せんせー」と私を呼び急に「せんせー ほしいですか これ」とパックのミルクティーを手に持っていました。500㎖の小さめの牛乳パックと同じ四角いパックに入ったリプトンのミルクティー。
ロイヤルミルクティーが新発売になってからは廃版になったもののファンのすさまじい要望により再販売になったあのミルクティーでした。ああ おいしいから飲んでみてと言ってるんだなと思い「ありがとう 飲むよ」と答えました。するとちょっぴり残念そうにその子はほかの飲み物を自分用に選んだのです。
見るとその棚にはミルクティーがもうなかった。3個しかないから私にも欲しいかわざわざ聞いてくれたんだ。おどろいて「いいよ 飲んでいいよ!」と追いかけてミルクティーを手に握らせました。
そのあとも、3人にはコンビニのイートインスペースに座らせ食べ物と飲み物を振り分け、私はちょっと車に戻りアパートのルートを検索して戻ると、なんと3人とも何も食べず私が戻るのを待っていました。
「え?なんで食べてなかったの?」 びっくりして聞いたら うれしそうに「一緒に食べます いただきます 」と言ってやっと食べ始めたのです。
彼女たちの国の言葉は「こんにちは」だけで相手が目上とか男の人とかで言い方が変わる言語のややこしい国で、挨拶くらい覚えていこうと思った私を憂鬱にさせていました。
しかし後から考えると私たちが普段忘れている目上に対して敬う気持ちをもった民族だったんだなと改めて発見しました。英語のワンツースリーも知らないどこか都会ではないところから来たであろうこの子たちを本当に応援したいと思いました。とびっきりな笑顔が曇ることのないよう、巷で起きているような人権侵害からぜったい守ろうと誓いました。
ミルクティー
このリプトン ミルクティーはロイヤルミルクティーへの
リニューアルに伴い一度終売になった商品。
もともとのミルクティーファンには衝撃だったようで森永乳業
には677通もの問い合わせが届いたそうです。
私も偶然この動画を見て胸が苦しくなるような気持ち
を覚えました。
みんなのリプトンミルクティー愛が詰まってます。
偶然、私は実習生のミルクティー愛も体験しました。